Aを貸主、Bを借主として甲建物の賃貸借契約が令和5年7月1日に締結された場合の甲建物の修繕に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.甲建物の修繕が必要であることを、Aが知ったにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
2.甲建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが必要な修繕を直ちにしないときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
3.Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合は、Aは甲建物を修繕する義務を負わない。
4.甲建物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、Bは甲建物の修繕をすることができる。
【答え:2】
1・・・正しい
賃借物の修繕が必要である場合において、下記いずれかに該当するときは、賃借人は、その修繕をすることができます。
- 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
- 急迫の事情があるとき。
上記、赤文字の部分の通り、甲建物の修繕が必要であることを、賃貸人Aが知ったにもかかわらず、賃貸人Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人Bは甲建物の修繕をすることができます。よって、本肢は、正しいです。
2・・・誤り
賃借物の修繕が必要である場合において、下記いずれかに該当するときは、賃借人は、その修繕をすることができます。
- 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
- 急迫の事情があるとき。
上記、赤文字の部分の通り、甲建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが必要な修繕を「相当期間内に」しないときは、Bは甲建物の修繕をすることができます。本肢は、「直ちに」となっているので誤りです。
3・・・正しい
賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負います。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、賃貸人は修繕義務を負いません。よって、賃借人Bの責めに帰すべき事由によって甲建物の修繕が必要となった場合は、賃貸人Aは甲建物を修繕する義務を負わないので正しいです。
4・・・正しい
賃借物の修繕が必要である場合において、下記いずれかに該当するときは、賃借人は、その修繕をすることができます。
- 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
- 急迫の事情があるとき。
上記、赤文字の部分の通り、甲建物の修繕が必要である場合において、急迫の事情があるときは、賃借人Bは甲建物の修繕をすることができます。よって、本肢は正しいです。
令和5年(2023年):宅建試験・過去問
- 問1
- 遺産分割(判決文)
- 問2
- 相隣関係
- 問3
- 請負契約
- 問4
- 相殺
- 問5
- 不在者
- 問6
- 取得時効
- 問7
- 配偶者居住権
- 問8
- 未成年者
- 問9
- 賃貸借
- 問10
- 抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 都市計画法
- 問16
- 都市計画法(開発許可)
- 問17
- 建築基準法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 盛土規制法
- 問20
- 土地区画整理法
- 問21
- 農地法
- 問22
- 国土利用計画法
- 問23
- 印紙税
- 問24
- 不動産取得税
- 問25
- 不動産鑑定評価基準
- 問26
- 契約書(37条書面)
- 問27
- 建物状況調査
- 問28
- 業務上の規制
- 問29
- 業務上の規制
- 問30
- 営業保証金
- 問31
- 広告
- 問32
- 免許
- 問33
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問34
- 報酬
- 問35
- 業務上の規制
- 問36
- クーリングオフ
- 問37
- 業務上の規制
- 問38
- 宅建士
- 問39
- 手付金等の保全措置
- 問40
- 媒介契約(専任媒介)
- 問41
- 監督処分
- 問42
- 重要事項説明書(35条書面)
- 問43
- 契約書(37条書面)
- 問44
- 保証協会
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物