宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはいくつあるか。
ア Aは、法第49条に規定されている業務に関する帳簿について、業務上知り得た秘密が含まれているため、当該帳簿の閉鎖後、遅滞なく、専門業者に委託して廃棄した。
イ Aは、宅地の売却を希望するBと専任代理契約を締結した。Aは、Bの要望を踏まえ、当該代理契約に指定流通機構に登録しない旨の特約を付したため、その登録をしなかった。
ウ Aの従業者Cは、投資用マンションの販売において、勧誘に先立ちAの名称を告げず、自己の氏名及び契約締結の勧誘が目的であることを告げたうえで勧誘を行ったが、相手方から関心がない旨の意思表示があったので、勧誘の継続を断念した。
エ Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、売買契約の締結に際して買主から手付を受領した。その後、当該契約の当事者の双方が契約の履行に着手する前に、Aは、手付を買主に返還して、契約を一方的に解除した。
1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.なし
【答え:4】
ア・・・違反する
帳簿の保存期間は、各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間(当該宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては、10年間)です。したがって、「当該帳簿の閉鎖後、遅滞なく廃棄」することは違反です。きちんと保存しないといけません。
イ・・・違反する
媒介契約のルールは「代理」においても適用されます。専任代理契約とは、専任媒介契約の代理バージョンと考えればよいです。 専任媒介契約では、指定流通機構に必ず登録しなければいけません。つまり専任代理契約についても同じく指定流通機構への登録は義務です。登録しないことはできないです。したがって、違反です。
ちなみに、登録期限は「契約締結日から7日以内(休日は含まない)」です。
ウ・・・違反する
宅建業者に従事する者は、勧誘をする場合、事前(勧誘する前)に「宅建業者の商号又は名称」「当該勧誘を行う者の氏名」「当該契約の締結について勧誘をする目的である旨」を告げる義務があります。これらを告げずに、勧誘することは違反です。
エ・・・違反する
解約手付のルールでは、売主から手付解除する場合、「受領した手付の倍額を買主に償還」する必要があります。本肢は「宅建業者Aは、手付を買主に返還して」となっており、返還する金額が少ないです。したがって、違反です。 ちなみに、買主から手付解除する場合は「交付した手付を放棄」するだけで解除できます。
平成29年度(2017年)宅建試験・過去問
- 問1
- 代理(復代理)
- 問2
- 物権変動
- 問3
- 共有(判決文)
- 問4
- 民法の条文
- 問5
- 売買契約
- 問6
- 相続
- 問7
- 請負
- 問8
- 連帯債務
- 問9
- 法定相続分
- 問10
- 不動産質権・抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 農地法
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 建築基準法
- 問20
- 宅地造成等規制法
- 問21
- 土地区画整理法
- 問22
- その他法令
- 問23
- 所得税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 報酬
- 問27
- 瑕疵担保責任の特約制限
- 問28
- 業務上の規制
- 問29
- 監督処分
- 問30
- 宅建業法総合
- 問31
- 8種制限総合
- 問32
- 営業保証金
- 問33
- 重要事項説明
- 問34
- 業務上の規制
- 問35
- 帳簿,従業者名簿
- 問36
- 免許
- 問37
- 宅地建物取引士
- 問38
- 37条書面
- 問39
- 営業保証金と保証協会
- 問40
- 37条書面
- 問41
- 35条書面
- 問42
- 広告規制
- 問43
- 媒介契約
- 問44
- 免許
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物