①不動産質権と②抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1.①では、被担保債権の利息のうち、満期となった最後の2年分についてのみ担保されるが、②では、設定行為に別段の定めがない限り、被担保債権の利息は担保されない。
2.①は、10年を超える存続期間を定めたときであっても、その期間は10年となるのに対し、②は、存続期間に関する制限はない。
3.①は、目的物の引渡しが効力の発生要件であるのに対し、②は、目的物の引渡しは効力の発生要件ではない。
4.①も②も不動産に関する物権であり、登記を備えなければ第三者に対抗することができない。
【答え:1】
1・・・誤り
①不動産質権については、抵当権と異なり、質権者が不動産を使用収益できます。これが、利息と考えられています。したがって、使用収益+利息となると、利息を二重にとることになるので、利息は取れないことになっています。つまり、①は誤りです。
②抵当権については、債務者(抵当権設定者)が使用収益できるので、抵当権者は利息を含めて担保(保証)してもらえます。そのため、満期となった最後の2年分についてのみ担保されるとなります。なので、②も誤りです。
この不動産質権や抵当権については根本的な基本知識がないと理解できないので、個別指導ではその点も含めて細かく解説します!
もちろん、「満期となった最後の2年分」についても解説しています!
2・・・正しい
①不動産質権の存続期間は最大10年とされています。これは、不動産はあくまでも質権設定者(債務者)のものであり、質権者(債権者)が不動産を何年も使用するのは、債務者にとって酷だから10年までと決めています。
②抵当権については、存続期間に定めはありません。何年で定めても大丈夫です。住宅ローンのように35年ローンなど長い期間を掛けてローンを払う場合もあるように、長い期間でも大丈夫です。 フラット35のようには債務者が使用収益出来るのですから、気持ち的にはできるだけ長い期間をかけて債務を返済したいと考えると思います。ですから、特に期間についての定めはございません。
3・・・正しい
①不動産質権は、質権者(債権者)が不動産を使用収益できます(抵当権との違い)。そのため、不動産の引渡しがないと意味がいないので、目的物(不動産)の引渡しが効力の発生要件となります。
②抵当権は、抵当権設定者(債務者)が不動産を使用収益出来るので、そもそも抵当権者への引渡しはありません。従って、抵当権は、目的物の引渡しは効力の発生要件ではありません。
4・・・正しい
①不動産質権や②抵当権は「担保物権」と呼ばれるとおり、「物権」です。
物権については、登記をすることで第三者に対抗することができ、逆に、登記をしていないと第三者に対抗できないので、本肢は正しいです。
物権とは何か?については個別指導で解説いたします!
しっかり理解して体系的な知識を身につけましょう!
平成29年度(2017年)宅建試験・過去問
- 問1
- 代理(復代理)
- 問2
- 物権変動
- 問3
- 共有(判決文)
- 問4
- 民法の条文
- 問5
- 売買契約
- 問6
- 相続
- 問7
- 請負
- 問8
- 連帯債務
- 問9
- 法定相続分
- 問10
- 不動産質権・抵当権
- 問11
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- 問13
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- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法
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