代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1.売買契約を締結する権限を与えられた代理人は、特段の事情がない限り、相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示を受領する権限を有する。
2.委任による代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも、復代理人を選任することができる。
3.復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭を受領し、これを代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、代理人に対する受領物引渡義務は消滅するが、本人に対する受領物引渡義務は消滅しない。
4.夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくとも、日常家事に関する事項について、他の一方を代理して法律行為をすることができる。
【答え:3】
1・・・正しい
判例によると、「売買契約を締結する権限を与えられて代理人となった者」は「相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示」を受ける権限を有するとしています。 つまり、相手方が取消ししたい場合、代理人に対して取消しの意思表示を行うこともできるわけです。
2・・・正しい
委任による代理人とは「任意代理における代理人」を指します。 本人A、代理人B、復代理人Cとします。 任意代理の場合、代理人Bは、本人Aの許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人Cを選任することができません。
本人Aとしては、「Bだから代理人でも大丈夫だ」と思って指名しているのに、勝手にこの代理人Bが別の人Cを代理人(復代理人)として選任してしまったら、本人Aは、困りますよね!? もしかすると、本人Aは復代理人Cを全く知らない人かもしれません。。。。
それでは困るので、「本人Aの許諾を得たとき」又は「やむを得ない事由があるとき」に限って、代理人Bは復代理人Cを選任できるとしているわけです!
その他の関連知識については個別指導でお伝えします!
3・・・誤り
例えば、本人A、代理人B、復代理人Cとします。 復代理人Cは、本人Aに代わって金銭を受領し、それを代理人Bに引渡した状況ですね! この場合、判例では、復代理人Cが代理人に「受領した金銭」を引渡せば、本人Aに対する引渡し義務を消滅するとしています。
これは、考え方が分かれば答えを導きやすいです! この考え方については、個別指導でお伝えします!
4・・・正しい
日常家事に関する事項=水道契約をする際、通常、夫名義で契約すると思いますが、それを妻が夫の代理人として契約することができるということです。 これは、夫が妻に代理権を与えなくても(授権がなくとも)行うことができます! 上記のように、代理権がなくても夫が妻のことを行える、逆に妻が夫のことを行えるのは「日常家事の範囲内」に限られています。
したがって、夫名義で妻が借金するというのは「日常家事の範囲内ではない」のでダメです!
平成29年度(2017年)宅建試験・過去問
- 問1
- 代理(復代理)
- 問2
- 物権変動
- 問3
- 共有(判決文)
- 問4
- 民法の条文
- 問5
- 売買契約
- 問6
- 相続
- 問7
- 請負
- 問8
- 連帯債務
- 問9
- 法定相続分
- 問10
- 不動産質権・抵当権
- 問11
- 借地権
- 問12
- 借家権
- 問13
- 区分所有法
- 問14
- 不動産登記法
- 問15
- 農地法
- 問16
- 都市計画法
- 問17
- 都市計画法
- 問18
- 建築基準法
- 問19
- 建築基準法
- 問20
- 宅地造成等規制法
- 問21
- 土地区画整理法
- 問22
- その他法令
- 問23
- 所得税
- 問24
- 固定資産税
- 問25
- 地価公示法
- 問26
- 報酬
- 問27
- 瑕疵担保責任の特約制限
- 問28
- 業務上の規制
- 問29
- 監督処分
- 問30
- 宅建業法総合
- 問31
- 8種制限総合
- 問32
- 営業保証金
- 問33
- 重要事項説明
- 問34
- 業務上の規制
- 問35
- 帳簿,従業者名簿
- 問36
- 免許
- 問37
- 宅地建物取引士
- 問38
- 37条書面
- 問39
- 営業保証金と保証協会
- 問40
- 37条書面
- 問41
- 35条書面
- 問42
- 広告規制
- 問43
- 媒介契約
- 問44
- 免許
- 問45
- 住宅瑕疵担保履行法
- 問46
- 住宅金融支援機構
- 問47
- 不当景品類及び不当表示防止法
- 問48
- 統計
- 問49
- 土地
- 問50
- 建物