💡 POINT|営業保証金をひと言でいうと?
営業保証金とは、宅建業者が開業前に供託所へ預ける「消費者を守るための担保金」です。本店1,000万円・支店1か所につき500万円を、本店最寄りの供託所に一括供託し、届出が完了するまで営業を開始できません。
- 誰のための制度か:取引で損害を受けた買主・借主が、供託金から直接弁済を受けられる
- 現金以外もOK:国債なら額面100%、地方債90%、その他有価証券80%で代替供託が可能
- 届出期限に注意:免許取得から3か月以内に届出しなければ催告→さらに1か月で免許取消のおそれ
- 負担軽減策もある:保証協会に加入すれば弁済業務保証金分担金(本店60万円)で代替でき、大幅にコストを抑えられる
「営業保証金っていくら必要?」「供託って何をすればいいの?」——宅建業法25条は、営業保証金の金額・供託手続き・届出義務を定めた重要条文で、宅建試験でも頻出のテーマです。
この記事では、営業保証金の仕組みを本店1000万円・支店500万円という金額の根拠から、供託所での手続き、有価証券による代替、免許取消リスクまで、具体例つきでわかりやすく解説します。
結論:宅建業法25条のポイント3つ
- 営業保証金の金額:本店1000万円、支店1店舗につき500万円を供託所に供託
- 届出義務:供託後、供託書の写しを免許権者に届出しないと営業開始できない
- 免許取消リスク:免許取得後3か月以内に届出がないと催告され、さらに1か月経過で免許取消の可能性
営業保証金とは?なぜ必要なのか
営業保証金とは、宅建業者が事業を行う際、取引相手に損害を与えた場合に備えて供託所に預けておくお金のことです。不動産取引は金額が大きく、万が一業者が手付金を持ち逃げしたり倒産したりすると、顧客は多額の損失を被ります。そこで宅建業法25条は、消費者保護の観点から営業保証金の供託を義務付けています。
具体例:手付金を持ち逃げされたケース
顧客が不動産会社Aに手付金500万円を支払った直後、Aが倒産して連絡が取れなくなった場合、顧客はAが供託している営業保証金から弁済を受けることができます。これが営業保証金の存在意義です。
営業保証金の金額はいくら?【本店1000万円・支店500万円】
宅建業法25条2項に基づき、政令(宅建業法施行令2条の4)で金額が定められています。
- 主たる事務所(本店):1,000万円
- その他の事務所(支店など):1店舗につき500万円
金額の計算例
- 本店のみ → 1,000万円
- 本店+支店1つ → 1,000万円+500万円=1,500万円
- 本店+支店3つ → 1,000万円+500万円×3=2,500万円
※支店を増やすほど供託額が増えるため、中小業者には大きな負担となります。これが宅建業界への参入障壁のひとつです。
どこに供託する?供託所の役割
営業保証金は、主たる事務所(本店)の最寄りの供託所に供託します。支店を開設する場合も、本店の最寄りの供託所にまとめて供託する点に注意が必要です(支店ごとではない)。
具体例:東京本社・大阪支店の会社
東京に本社、大阪に支店を持つ不動産会社Bの場合、大阪支店分の500万円も東京の供託所に供託します。これは宅建試験でよく狙われるポイントです。
現金以外でも供託できる?有価証券による代替
宅建業法25条3項により、営業保証金は現金だけでなく国債証券・地方債証券などの有価証券でも供託可能です。ただし、有価証券は種類によって評価額が異なります(施行規則15条)。
| 有価証券の種類 | 評価額 |
|---|---|
| 国債証券 | 額面の100% |
| 地方債証券・政府保証債 | 額面の90% |
| 国土交通省令で定める有価証券 | 額面の80% |
具体例:1,000万円を供託する場合
- 国債証券 → 額面1,000万円分
- 地方債証券 → 額面約1,112万円分(1,000万円÷0.9)
- その他の債券 → 額面1,250万円分(1,000万円÷0.8)
※試験では「地方債は90%評価」「その他は80%評価」という割合を覚えておけば十分です。
供託後の届出義務と営業開始のタイミング
宅建業法25条4項・5項では、供託だけでは営業を開始できないと定めています。供託した後、供託書の写しを免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)に届け出て、初めて営業開始が可能となります。
具体例:届出を忘れて営業した場合
不動産会社Cが1,000万円を供託したものの、届出を忘れて営業を開始した場合、これは宅建業法違反となります。「供託→届出→営業開始」の順序を必ず守る必要があります。
届出が遅れるとどうなる?免許取消のリスク
宅建業法25条6項・7項では、届出が遅れた場合の手続きが定められています。
- 免許取得後3か月以内に届出がない → 免許権者が催告
- 催告から1か月以内に届出がない → 免許取消の可能性(任意)
具体例:タイムラインで理解する
- 4月1日:免許取得
- 7月1日:3か月経過しても届出なし
- 7月2日:免許権者が催告
- 8月2日:1か月経過しても届出なし → 免許取消の可能性
※免許取消は「任意」である点に注意。必ず取消になるわけではありませんが、取消されるリスクがあります。
有価証券の差し替え(施行規則15条の4の2)
供託した有価証券の償還期限が到来したり、無効になったりした場合、業者は速やかに新しい営業保証金を供託し直す必要があります。これを「差し替え」といいます。差し替え後は、変更後の供託書の写しを免許権者に届け出ます。
まとめ:宅建業法25条の重要ポイント
- 営業保証金は本店1,000万円・支店1店舗500万円を本店最寄りの供託所に供託
- 現金のほか国債(100%)・地方債(90%)・その他債券(80%)でも可
- 供託後は届出しないと営業開始できない
- 免許取得後3か月+催告後1か月で届出がなければ免許取消の可能性
- 有価証券が無効になった場合は速やかに差し替えが必要
営業保証金は宅建試験で頻出のテーマです。特に金額・供託先・届出の順序・免許取消までの期間は必ず押さえておきましょう。次は弁済業務保証金(保証協会制度)と併せて学習すると理解が深まります。
次に読むべき記事|宅建業法の頻出テーマを攻略
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