宅建試験において、「裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新」の部分は良く出題される部分です!
しっかり頭に入れましょう!
時効の完成猶予とは?
「時効の完成猶予」とは、「時効期間が満了していても、時効が完成しない」ということです。
【具体例】 「2023年3月4日」が時効期間の満了日だったとします。しかし、「2023年3月4日」に「時効の完成猶予事由」に該当している場合、時効が完成しないため、債務者は、時効を援用することができません。
時効の更新とは?
「時効の更新」とは、「時効期間が振り出しに戻り、また1日目から再スタートする」ということです。
【具体例】 お金の貸し借り(金銭消費貸借契約)で、債権者が、4年間何も請求せずに放っておいた。あと、1年何もしなかったら時効完成したのですが、ここで、時効が更新した場合、これまで経過した4年は意味がなくなり、また、1日目から時効期間が再スタートします。
民法147条(時効の効力)
(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
「裁判上の請求等」と「時効の完成猶予」
「裁判上の請求」や「支払督促」、「和解・調停」「破産手続参加・再生手続参加・更生手続参加」を行った場合、これらの手続きが終わるまでは、時効は完成しません(民法147条1項)(=時効の完成猶予)。
「裁判上の請求等」と「時効の更新」
「裁判上の請求」や「支払督促」、「和解・調停」「破産手続参加・再生手続参加・更生手続参加」を行い、その後、確定判決を受けた時、その時から、新たに時効期間が進行し始めます(再スタートします)(民法147条2項)(=時効の更新)。
※「確定判決」とは、控訴や上告等の通常の不服申し立て方法では取り消したり変更することができない状態になった判決を言います。例えば、地方裁判所の判決が終わり、その後、高等裁判所への控訴(上の裁判所に申し立て)ができるが、控訴期間が過ぎてしまった場合、もう、争うことができなくなるため、地方裁判所の判決が確定判決となります。
裁判を取り下げた場合
「申立ての取下げ」を行った場合、時効の更新はせず、「取下げた時」から6か月間は、時効は完成猶予されます。
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