宅建試験において、被保佐人の部分は良く出題される部分です!
特に13条は頻出です!
しっかり頭に入れましょう!
民法11条(保佐開始の審判)
(保佐開始の審判)
第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。
精神障害により、物事の判断能力が「著しく不十分」である者は、家庭裁判所が、本人や配偶者等の請求によって「保佐開始の審判」をすることができます。これは、任意なので、必ずしも保佐開始の審判をしなければならないわけではありません。
保佐開始の請求権者は、「本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官」です!
ただし、成年被後見人(常に判断能力がない者)は、後見開始の審判を受けているので、保佐開始の審判はされないです。もし、精神障害の症状が少し改善して、保佐開始の審判を受けるのであれば、一度、後見開始の審判を取り消したあとに、保佐開始の審判を受ける流れになります。
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民法12条(被保佐人及び保佐人)
(被保佐人及び保佐人)
第十二条 保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。
保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人となります。また、この審判の中で、被保佐人の保護者も決められます。この被保佐人の保護者を保佐人と言います。
民法13条(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。
被保佐人は、原則、単独で法律行為(契約等)を行うことができます。
例外的に、下記10個の行為については、被保佐人は単独で行うことができず、行う場合は保佐人の同意が必要となります。もし、下記行為のいずれかを被保佐人が単独で行った場合、被保佐人本人や保佐人は、後で取り消しができます。
- 貸したお金の元本を領収すること
- 借金をしたり、保証人、物上保証人になること
- 不動産の売買を行うこと
- 訴訟行為
- 贈与(与える行為)、和解又は仲裁合意をすること
- 相続の承認・放棄をすること
- 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること
- 新築、改築、増築、大規模修繕こと。またこれらの請負契約の注文者となること
- 5年を超える土地の賃貸借、3年を超える建物の賃貸借、10年を超える山林の賃貸借
- 被保佐人が、別の制限行為能力者の法定代理人となっている場合において、上記1~9の行為を「制限行為能力者の法定代理人」として行う場合 → この点はややこしいので、個別指導で解説します!
民法13条2項
さらに、上記以外の行為以外であっても、保佐人の同意が必要な行為に加えることができます(民法13条2項)。流れとしては、「保佐開始の請求権者や保佐人、保佐監督人」が家庭裁判所に請求して、家庭裁判所が認めれば、その行為については、「保佐人の同意を得なければならない行為に加えられます」。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為(9条ただし書き)については、単独できる行為なので、保佐人の同意を得なければならない行為に付け加えることはできません。
民法13条3項
上記1項、2項の保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が、「被保佐人の利益を害するおそれがない」にもかかわらず同意をしないときは、被保佐人は家庭裁判所に、「保佐人が同意をしてくれないので、家庭裁判所が代わりに同意をしてください!」と請求することができます。そして、家庭裁判所は、保佐人の同意に代わる許可を与えることができます。
民法13条4項
保佐人の同意を得なければならない行為について、被保佐人が、「保佐人の同意又は裁判所の許可」を得ないでした場合は、あとで、取り消すことができます。
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民法14条(保佐開始の審判等の取消し)
(保佐開始の審判等の取消し)
第十四条 第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。
2 家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。
被保佐人の精神障害が回復し、「著しく不十分」とまでは言えない場合、「本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官」が家庭裁判所に「保佐開始の審判を取り消してください!」と請求することができ、この請求を受けた家庭裁判所は、保佐開始の審判を必ず取り消ししなければなりません。(義務)。
一方、「13 条1項の10項目」以外の行為について、保佐人の同意が必要な行為として加えられた行為は、「本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官」が家庭裁判所に「この行為については、保佐人の同意は不要としてください!(民法13条2項の審判を取り消してください!」と請求することができ、この請求を受けた家庭裁判所は、全部または一部を取り消すことができます(任意)。