「贈与契約」の重要ポイントと解説

贈与契約のポイント一覧

  1. 贈与契約は無償
  2. 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、解除できない
    書面による贈与は、一方的に解除することはできない
  3. 贈与する物は、「特定した時の状態」で贈与をすればいいので、物を特定した時に、欠陥があっても、贈与者は、そのまま引渡せばよい
  4. 負担付贈与→贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保責任(契約不適合責任)を負う
  5. 定期贈与贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う
  6. 死因贈与遺贈のルールが適用される→たとえ、書面で死因贈与契約を締結していたとしても、後で撤回できる

贈与契約とは?

贈与契約は、ある物を無料でプレゼントをすることです。

例えば、誕生日プレゼントは、贈与契約です。

親が大学生の子どもに渡す仕送りも贈与契約です。

書面契約した贈与の解除

書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができます。ただし、履行の終わった部分については、解除できません

例えば、親Aが子Bに対して、毎月5万円の仕送りをしてあげると言い、1年間で60万円の仕送りを行い、その後、親が、「仕送りはやめる!」といった場合、その後、仕送りはしなくてもよいですが、「これまで贈与してきた60万円を返して!」ということはできません。

書面で契約した贈与の解除

書面による贈与は、一方的に解除することはできず、解除するためには、相手方の合意が必要となります。

贈与者の引渡義務(贈与者の担保責任・契約不適合責任)

贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として「特定した時の状態」で「引き渡し、又は移転」すればよいです。

「特定した時の状態」で贈与をすればいいので、物を特定した時に、欠陥があっても、贈与者は、そのまま引渡せばよいことになります。無償だから当然ともいえます。

「売買契約の売主」よりも、「贈与契約の贈与者」の方が責任が軽減されているということです。

ただし、贈与契約で、「欠陥のない建物を引渡す」と約束したにも関わらず、欠陥があった場合は、約束したことが優先されるので、贈与者は債務不履行による損害賠償責任を負います。

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負担付き贈与

負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保責任(契約不適合責任)を負う

例えば、贈与者Aが、土地を無料でプレゼントするから、Aの身の回りの世話をしてください!
とAB間で贈与契約をした場合、Bは、土地をもらう代わりに、「Aの身の回りの世話をしなければならない」という負担を負います。
これは、無償のルールを適用するのは、受贈者Bにとって酷なので、贈与者は、売買と同じく、契約不適合責任(担保責任)を負うとしています。
つまり、BがきちんとAの身の回りの世話をしているにも関わらず、土地に産業廃棄物が埋まっている等の事情があれば、贈与者Aは産業廃棄物を撤去する責任を負うということです。

定期贈与

定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失います

「定期の給付を目的とする贈与」とは、定期的に贈与することを指します。例えば、「親が子に対して毎月5万円を仕送りする」というのが定期贈与です。

死因贈与

贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、遺贈に関する規定を使います(準用する)。

例えば、贈与者Aが、Bに対して「私Aが死亡したら、甲土地をBに無料でプレゼントするよ!」という贈与契約が「死因贈与」です。

死因贈与は遺贈のルールが適用されるので、たとえ、書面で死因贈与契約を締結していたとしても、後で撤回できます

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