皆様、働いていると給与をもらいますよね。これを給与所得といいます。
そして、不動産を売ると、その年は所得が増えます。これを譲渡所得と言います。
この二つの所得は、一緒に計算するのではなく、別々に計算します。(分離課税)
税金の概要でお話したとおり、所得税額も「課税標準×税率」で計算できます。
譲渡所得による所得税で重要なポイントは
①課税標準の特例や軽減税率などの概要と
②複数の特例や軽減税率を一緒に使えるか(重複適用)という点です。
所得税(譲渡所得)のポイント一覧
- 居住用財産の3000万円の特別控除は、所有期間は関係ない
- 買換え特例は、「所有期間が10年超であること」「居住期間が10年以上であること」「売った資産の金額が1億円以下」が要件
- 居住用財産を譲渡した場合の軽減税率は、譲渡所得金額が6000万円を超える部分は、税率15%で、6000万円以下の部分は税率 10%となる
- 住宅ローン控除は、「償還期間(借入期間)が10年以上であること」「その年の合計所得金額が3000万円以下であること」が要件
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居住用財産の3000万円特別控除(課税標準の特例)
課税の特例には、居住用財産を譲渡した場合の「3000万円特別控除」と
土地が収用事業のために買い取られた場合(収用交換等の場合)の「5000万円特別控除」があります。
宅建では3000万円の特別控除が重要なので、その点を中心に説明します。
居住用財産の3000万円特別控除 | |
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概要 | 譲渡所得から3000万円を控除した金額を課税対象とする特例 |
適用要件 |
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その他 | 居住していた期間が半年であろうが、20年あろうが、3000万円の特別控除は使えます。(居住期間、所有期間は関係ない) |
収用交換等の場合の5000万円の特別控除のポイント
・5000万円特別控除と居住用財産の軽減税率は重複適用できる
・5000万円特別控除と優良住宅地の軽減税率は重複適用できない
買換え特例
特定の居住用財産の買換え特例 | |
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概要 | 今まで住んでいた家を売って、新しい家を買う場合、売って手にしたお金の方の方が新しい家の購入費より大きい場合(譲渡益・利益が出る場合)にのみ、その譲渡益の部分に課税する。
例えば、今まで住んでいた家が3000万円で売れて、次に購入した家が2000万円だった場合、1000万円を譲渡所得として課税しましょう。 |
適用要件 | 【売った資産について】
【買った資産について】
【その他】
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軽減税率
原則、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年超である場合を長期譲渡所得、5年以下である場合を短期所得として扱い、
長期譲渡所得・・・所得税率 15%
短期譲渡所得・・・所得税率 30%
としています。
居住用財産を譲渡した場合の軽減税率
しかし、居住用財産について所有期間が譲渡した年の1月1日時点で10年超である場合は税率を15%から以下のように税率が軽減されます。
課税長期譲渡所得金額 | 軽減税率 |
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6000万円を超える部分 | 15% |
6000万円以下の部分 | 10% |
そして、居住用財産譲渡の場合の軽減税率は居住用財産の3000万円・5000万円特別控除と併用できるため、譲渡所得金額から3000万円を控除(差し引いた)額が6000万円を超えるかどうかで税率は判断します。
ここで注意していただきたいのは、もし、課税長期譲渡所得金額が7000万円であった場合、6000万円までの部分は税率10%、残りの1000万円が税率15%となる点です。6000万円を超えるからと言って全額について税率15%となるわけではありません。
ここまでは、居住用財産についてでしたが、もう一つ軽減税率があります。
優良住宅地等のために土地などを譲渡した場合の軽減税率
これは、所有期間が譲渡した年の1月1日時点で5年超の土地について、国や地方公共団体などの公的機関に土地を譲渡した場合に以下のように税率が軽減されます。
課税長期譲渡所得金額 | 軽減税率 |
---|---|
2000万円を超える部分 | 15% |
2000万円以下の部分 | 10% |
優良住宅地等のために土地などを譲渡した場合の軽減税率は居住用財産の3000万円・5000万円特別控除と重複適用(併用)はできません。
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住宅ローン控除
住宅ローン控除 | |
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概要 | 個人が住宅を新築したり、中古の家屋や敷地を取得したりするためにローンを組むことがあります。その住宅ローンの年末残高に応じて、給与から差し引かれた所得税を返してもらえるという制度です。 |
適用要件 |
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その他 |
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バリアフリー改修工事に係る住宅ローン控除
バリアフリー工事に関する住宅ローン控除 | |
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概要 | 居住者が一定のバリアフリー改修工事をした場合に限って、毎年最大12万円を5年間(合計60万円)、所得税額が減額されます。 |
適用要件 | 【居住者とは?】
【工事内容】
【その他の要件】
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その他 | 住宅ローン控除は収用交換等の5000万円特別控除や買換えによる譲渡損失の繰越し控除とは併用できる |