平成29年(2017年)問8/宅建過去問

(解説について改正民法適用済み)
A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。

1.DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知っていれば、B及びCについては、その効力が生じる。(改)

2.Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。

3.Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。

4.CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。


 

 

 

 

 

 

【答え:2】


A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。
1.DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知っていれば、B及びCについては、その効力が生じる。(改)

1・・・誤り

連帯債務において、請求(履行請求)は、相対効なので、BとCは請求による時効完成の猶予の効力は生じません。したがって、本肢は誤りです。

本問の選択肢1~4の細かい考え方については、個別指導で解説します!

 


A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。
2.Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。

2・・・正しい

連帯債務において、相殺は、絶対効なので、相殺により、Aだけでなく、BおよびCのDに対する債務も200万円分について消滅します。したがって、本肢は正しいです。

 


A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。
3.Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。

3・・・誤り

連帯債務者の一人の債務が時効完成により消滅しても、他の連帯債務者には影響をしません(時効完成は相対効)。そのため「債務が消滅するわけではない」ので誤りです。

 


A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている。
4.CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。

4・・・誤り

連帯債務者の一人が弁済した場合、連帯債務の「負担割合に応じて」求償できます!したがって、「CがA及びBに求償できない」記述は誤りです。

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平成29年度(2017年)宅建試験・過去問

問1
代理(復代理)
問2
物権変動
問3
共有(判決文)
問4
民法の条文
問5
売買契約
問6
相続
問7
請負
問8
連帯債務
問9
法定相続分
問10
不動産質権・抵当権
問11
借地権
問12
借家権
問13
区分所有法
問14
不動産登記法
問15
農地法
問16
都市計画法
問17
都市計画法
問18
建築基準法
問19
建築基準法
問20
宅地造成等規制法
問21
土地区画整理法
問22
その他法令
問23
所得税
問24
固定資産税
問25
地価公示法
問26
報酬
問27
瑕疵担保責任の特約制限
問28
業務上の規制
問29
監督処分
問30
宅建業法総合
問31
8種制限総合
問32
営業保証金
問33
重要事項説明
問34
業務上の規制
問35
帳簿,従業者名簿
問36
免許
問37
宅地建物取引士
問38
37条書面
問39
営業保証金と保証協会
問40
37条書面
問41
35条書面
問42
広告規制
問43
媒介契約
問44
免許
問45
住宅瑕疵担保履行法
問46
住宅金融支援機構
問47
不当景品類及び不当表示防止法
問48
統計
問49
土地
問50
建物
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