契約不適合責任の重要ポイントと解説

(このページは、改正民法に対応しています)

旧民法では、「売主の担保責任」と言っていましたが、改正民法により、「契約不適合責任」となりました。

契約不適合責任のポイント一覧

  1. 強迫を

契約不適合責任とは?

引渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである」ことを契約不適合と言います。

例えば、「350mlのアサヒの缶ビール」を100本注文したにも関わらず、
①「キリンの缶ビール」が引渡されたら、「種類」に関して契約不適合があるといえます。
また、②「賞味期限切れの缶ビール」が引渡されたら、「品質」に関して契約不適合があると言えます。
さらに、③90本しか缶ビールが引渡されなかったら、「数量」に関して契約不適合あるといえます。

では、契約不適合がある場合、買主はどのような権利を主張できるのか?

追完請求権

買主は売主に対して、「目的物の修補代替物の引渡しまたは不足分の引渡し」といった「履行の追完」を請求することができます。

履行の追完請求は、売主の帰責事由に関係なく主張できます。=売主に責任がなくても買主は追完請求できる

ただし、契約不適合が買主の責任で生じた場合、買主が悪いので、買主は追完請求ができません。

代金減額請求

引渡された目的物に契約不適合がある場合、買主は相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額請求ができます。

ただし、催告をしても意味がない場合(例えば、履行の追完が不能な場合)、催告せずに直ちに代金減額請求が可能です。

これも、「履行の追完請求」同様、売主の帰責事由に関係なく主張できます。=売主に責任がなくても買主は代金減額請求できる

また、契約不適合が買主の責任で生じた場合、買主が悪いので、買主は追代金減額はできません。

損害賠償請求および契約解除

引渡された目的物に契約不適合がある場合、追完請求や代金減額請求以外に、損害賠償請求や契約解除もできます。追完請求や代金減額をしたとしても別途損害賠償請求契約解除が可能です。

難しい言い方をすると、『「追完請求や代金減額請求」の規定は、「債務不履行による損害賠償請求」や「解除権」の行使を妨げない』という言い方をします。

契約不適合責任の具体例

全部他人物売買

売主の売った物が全部他人の物であった場合
⇒こんなことありえるの?と思うかも知れませんが、事実、売主Bが売ろうとしている物を
現在の持ち主Aと手付金を入れて売買契約し、売主Bが買主Cに売る場合がそれにあたります。
この場合、残金を持ち主に渡さないと売り物を買主に渡せないわけで、
実際、渡せなければ契約不適合責任が生じるということです。
この場合、追完請求権・代金減額請求権・損害賠償請求権・契約解除を行使することができます。
ただし、所有権の移転が確実にできないというのであれば、履行の追完請求や代金減額請求をしても意味がないので、損害賠償請求と解除で対応します。

一部他人物売買

売主の売った物が一部が他人の物であった場合
この場合も、追完請求権・代金減額請求権・損害賠償請求権・契約解除を行使することができます。

用益的権利による制限

売主の売った物に地上権、地役権、質権など使用収益することを制限する権利がついていた場合、
この場合も、追完請求権・代金減額請求権・損害賠償請求権・契約解除を行使することができます。

数量不足・一部滅失

売主の売った物が契約内容より少なかった場合
この場合も、追完請求権・代金減額請求権・損害賠償請求権・契約解除を行使することができます。

担保的権利による制限

売主の売った物に抵当権など権利実行により所有権を失ってしまう場合
この場合、追完請求権・代金減額請求権・損害賠償請求権・契約解除を行使することができます。
ただし、契約内容の全ての物件について所有権を失ったというのであれば、履行の追完請求や代金減額請求をしても意味がないので、損害賠償請求と解除で対応します。

契約不適合責任の期間制限

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、「履行の追完請求、代金減額請求、損害賠償請求及び契約解除」をすることができなくなります。

つまり、「履行の追完請求、代金減額請求、損害賠償請求及び契約解除」をしたいのであれば、契約不適合を知った時から1年以内に、契約不適合である旨を売主に通知する必要があるということです。

ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、上記1年の期間制限はありません

この点は消滅時効との絡みがあるので、関連させて理解しないと、応用問題で失点してしまいます。
そのため、個別指導では、この関連事項も併せて解説します!

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契約不適合責任の問題一覧

■問1
Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した場合において、甲土地がAの所有地ではなく、他人の所有地であった場合には、AB間の売買契約は無効である。 (2009-問10-3)

 

答え:誤り

他人物売買も有効です。したがって、本問の「無効」という記述は誤りです。

これがどういうことを行っているのかを理解している方は少ないですが、理解しなければいけない部分です。

なので、「個別指導」ではその点も解説しています。


■問2(改正民法)
Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した場合において、A所有の甲土地に契約に適合しないAが気付かなかった瑕疵 (かし) があり、その瑕疵については、買主Bも瑕疵であることに気づいておらず、かつ、気付かなかったことにつき過失がないような場合には、Aは契約不適合責任(担保責任)を負う必要はない。 (2009-問10-1)

 

答え:誤り

契約不適合責任は、売主がその瑕疵について、故意や瑕疵なく知らなくても、責任を負わなければならないです。つまり、売主Bに故意や過失がなくても、売主は、不適合責任を負います。よって、売主が瑕疵について気づいていなくても、また、買主Bが瑕疵について、善意無過失の場合、売主は契約不適合責任(担保責任)を負います。

つまり、「Aは契約不適合責任(担保責任)を負う必要はない」という記述は誤りです。

この点については、しっかり理解する必要があるので、「個別指導」では細かく分解して解説しています!

理解しないと本試験で得点できないので、しっかり理解しておきましょう!


■問3
宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合、売買契約で、Aは甲土地の引渡しの日から2年間だけ瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負う旨を合意したとしても、Aが知っていたのにBに告げなかった瑕疵については、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権が時効で消減するまで、Bは当該損害賠償を請求できる。 (2008-問9-4)

 

答え:改正民法により削除 類題については、個別指導で解説します!


■問4(改正民法)
宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合、Bが瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及する場合には、瑕疵の存在を知った時から1年以内にAの瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及する意思を裁判外で明確に告げていればよく、1年以内に訴訟を提起して瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及するまでの必要はない。 (2008-問9-3)

 

答え:正しい

宅建業者は自ら売主で、宅建業者でない者に対して、宅地・建物の売買契約を締結する場合、民法では、売主の瑕疵担保責任(契約不適合責任)の通知期間は「瑕疵を知った時から1年」となっています。この瑕疵を知ってから1年以内に、買主は、裁判外で明確に責任追及する意思を告げればそれで足り、訴訟を起こす必要はありません。したがって、本問は正しいです。

個別指導」では具体例も入れて解説しています。


■問5(改正民法)
宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合、甲土地に設定されている抵当権が実行されてBが所有権を失った場合、Bが甲土地に抵当権が設定されていることを知っていたとしても、BはAB間の売買契約を解除することができる。 (2008-問9-2)

 

答え:正しい

抵当権のついた物件の売買をし、その後、抵当権の実行により所有権を失った場合、抵当権が付着していることについて買主の善意・悪意関係なく、契約解除ができます。したがって、本問は買主が悪意ですが、解除できます。

この点について関連ポイントもあるのでその点も学習しておきましょう!

個別指導」では関連ポイントもまとめて解説しています。


■問6(改正民法)
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約において、売買契約に、瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及できる期間について特約を設けていない場合、買主Bが瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及するときは、契約に適合しない瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。(2007-問11-4)

 

答え:誤り

民法においては、契約不適合責任を追及できる期間は通常の消滅時効の期間(知ってから5年・引渡しから10年)です。

よって、本問の「1年以内」は誤りです。

この問題は消滅時効との絡みもあるので、まとめて学習したほうがよいです。

そうしないと、混乱していつまでたっても契約不適合責任の問題で得点できません。

この点については「個別指導」で詳しくお伝えします。


■問7(改正民法)
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約において、買主Bが不動産に契約内容に適合しない瑕疵があることを契約時に知っていた場合や、Bの過失により不動産に瑕疵があることに気付かず引渡しを受けてから瑕疵があることを知った場合には、Aは契約不適合責任を負わない。 (2007-問11-3)

 

答え:誤り

「買主Bが過失により瑕疵があることに気づかず」という記述から、買主Bは契約時に有過失だということが分かります。買主Bが売主Aに対して契約不適合責任を追及するための要件として、買主Bの善意・悪意、過失の有無は関係ありません。

したがって、「売主Aは契約不適合責任を負わない」というのは誤りです。

詳細な解説については「個別指導」でお伝えします。


■問8(改正民法)
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約において、買主Bが不動産に契約に適合しない瑕疵があることを発見しても、当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないような瑕疵である場合には、Aは契約不適合責任を負わない。 (2007-問11-2)

 

答え:誤り

契約不適合があれば、原則、買主は、売主に対して契約不適合責任を追及できます。

これは「当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないような瑕疵である場合」であっても同じです。

よって、「Aは契約不適合責任を負わない」は誤りです。


■問9
宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約において、売買契約に、契約に適合しない瑕疵(かし)についてのAの瑕疵担保責任(契約不適合責任)を全部免責する旨の特約が規定されていても、売主Aが知りながら買主Bに告げなかった瑕疵については、Aは担保責任を負わなければならない。 (2007-問11-1)

 

答え:正しい

「契約不適合責任を負わない」旨の特約をしたとしても売主が瑕疵を知りながら買主に告げなかった瑕疵については、売主は担保責任(契約不適合責任)を負わなければならないので、本問は正しいです。

本問については基本的な考え方とその流れを是非学習していただきたいので「個別指導」ではその点をお伝えしております。

さらには、瑕疵担保責任については、宅建業法の8種制限にも関連するのでその点もお伝えしていきます。


■問10(改正民法)
買主が、抵当権が存在していることを知りつつ不動産の売買契約を締結し、当該抵当権の行使(競売)によって買主が所有権を失った場合には、買主は、売買契約の解除はできるが、売主に対して損害賠償請求はできない。 (2005-問9-3)

 

答え:誤り

抵当権の実行によって所有権を失った場合、善意・悪意関係なく、契約解除と損害賠償請求ができます。

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■問11
売主が、買主の代金不払を理由として売買契約を解除した場合には、売買契約はさかのぼって消滅するので、売主は買主に対して損害賠償請求はできない。 (2005-問9-2)

 

答え:誤り
債務不履行による解除では「契約を解除」して、さらにあわせて「損害賠償請求」をすることができます。したがって、本問の「買主の代金不払を理由として売買契約を解除した場合には、売買契約はさかのぼって消滅するので、売主は買主に対して損害賠償請求はできない」という記述は誤りです。

この点についてはキチンと理由を知れば、当然の話です!

覚えなくても常識的に答えを導けます!

なので、「個別指導」ではこの点を解説しています!


■問12(改正民法)
買主が、売主以外の第三者の所有物であることを知りつつ売買契約を締結し、売主が売却した当該目的物の所有権を取得して買主に移転することができない場合には、買主は売買契約の解除はできるが、損害賠償請求はできない。 (2005-問9-1)

 

答え:誤り
全部が他人物の場合、売主が売却した当該目的物の所有権を取得して買主に移転することができないときは、買主は、解除だけでなく損害賠償請求もできます。

したがって、誤りです。


■問13
宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関して、Bが敷地賃借権付建物をAから購入したところ、敷地の欠陥により擁壁に亀裂が生じて建物に危険が生じた場合、Bは敷地の欠陥を知らなかったとしても、Aに対し担保責任(契約不適合責任)を追及することはできない。 (2004-問10-4)

 

答え:正しい

判例では、敷地の物理的な欠陥については「敷地の賃借権に瑕疵(欠陥)」に当たらないとしています。

したがって、敷地の瑕疵によって瑕疵担保責任を追及することはできません。


■問14(改正民法)
宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関して、Bが購入した土地の一部を第三者Dが所有していた場合、Bがそのことを知っていたとしても、BはAに対して代金減額請求をすることができる。 (2004-問10-3)

 

答え:正しい

一部他人物売買の場合、買主が善意でも悪意でも代金減額請求はできます。したがって、本問は正しいです。

基本的な問題ですね!


■問15
宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関して、Aは、C所有の土地を自ら取得するとしてBに売却したが、Aの責に帰すべき事由によってCから所有権を取得できず、Bに所有権を移転できない場合、他人物売買であることを知っていたBはAに対して損害賠償を請求できない。 (2004-問10-2)

 

答え:誤り

本問は一見すると売主の担保責任の問題と考えてしまいます。しかし、「Aの責に帰すべき事由によってCから所有権を取得できず、Bに所有権を移転できない」という記述から「債務不履行」が成立します。

「債務不履行」のルールでは、
Aの責に帰すべき事由によって(Aの落ち度によって)、契約にそってBに所有権を移転できていないとき、BはAに対して債務不履行を理由として損害賠償請求をすることはできることになっています。

基本的な内容ですが、一つのことしか見ていないと解けないですね。


■問16
宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関して、Bは住宅建設用に土地を購入したが、都市計画法上の制約により当該土地に住宅を建築することができない場合には、そのことを知っていたBは、Aに対し契約不適合責任を追及することができない。 (2004-問10-1)

 

答え:誤り

瑕本問の「都市計画上の制約により住宅を建築することができない」というのは「契約不適合」に当たります。

つまり、Bが悪意であろうが善意であろうが関係なく、BはAに対し契約不適合責任を追及できます。


■問17
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。AB間の売買契約が、宅地建物取引業者Cの媒介により契約締結に至ったものである場合、Bに対して担保責任が追及できるのであれば、AはCに対しても担保責任を追及することができる。 (2003-問10-4)

 

答え:誤り

売買契約における契約不適合責任は、「売主」が「買主」に対して負うものです。「売主」と「買主」の売買契約を仲介した「媒介業者」は売主ではないので、瑕疵担保責任を負いません。

よって、誤りです。


■問18
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に契約に適合しない欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、契約締結から1年以内に担保責任の追及を行わなければ、AはBに対して担保責任を追及することができなくなる。 (2003-問10-3)

 

答え:誤り

契約不適合責任の追及は、買主が「瑕疵を知ったとき」から1年以内に通知すればよいです。

本問は、「契約締結から」1年以内というのは誤りです。

買主Aが欠陥(瑕疵)を知らないまま契約した場合、「瑕疵を知った時から1年以内」に売主に対して、契約不適合の旨を通知することで、その後、損害賠償請求等の責任追及をすることができます。


■問19(改正民法)
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に契約内容に適合しない欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知らないまま契約を締結した場合、Bの担保責任を追及して契約の解除を行うことができるのは、欠陥が存在するために契約を行った目的を達成することができない場合に限られる。 (2003-問10-2)

 

答え:誤り

契約不適合があった場合、契約目的を達成できるか否かに関わらず、契約解除はできるので、誤りです。

キチンと理解する必要があるので、個別指導で解説します!


■問20(改正民法)
Aが、BからB所有の土地付中古建物を買い受けて引渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に契約内容に適合しない欠陥があった。Aが、この欠陥の存在を知って契約を締結した場合、AはBの担保責任を追及して契約を解除することはできないが、この場合の建物の欠陥は重大な瑕疵なのでBに対して担保責任に基づき損害賠償請求を行うことができる。 (2003-問10-1)

 

答え:誤り

契約不適合がある場合、買主Aが、この欠陥の存在を知って契約を締結したとしても、AはBの担保責任を追及して契約を解除することはできます。

キチンと理解していれば、ヒッカケ問題もどこでヒッカケているか分かるはずです!

本問を理解するには、まず、問題文を理解しましょう!

ここでは詳しく記載していませんが、「個別指導」の解説では詳しく解説しています!また、何を質問されているかまで記載しています。理解学習ができていない方は「質問内容も理解できていない」場合がほとんどです。

それでは、どれだけ勉強しても合格レベルに達することができないのは容易に想像できますよね!

だから、その点も解説しているわけです!理解学習は宅建合格の近道です!今すぐあなたも理解学習を始めて、苦しい勉強から解放されましょう!

ちなみに、契約不適合責任のポイントはキチンと頭に入れておきましょう!宅建業法との絡みもあるので非常に複雑に見えますが、それほど難しくはありません!

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■問21(改正民法)
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約が締結された。 Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、本件契約を解除することができる。なお、当該抵当権の付着は契約内容に適合しないものとする。 (2016-問6-4)

 

答え:正しい

AがBに売却した土地に抵当権が設定されていたので、抵当権付着物売買です。

A→B

抵当権付着売買については、買主Bが善意でも悪意でも「損害賠償請求」も「契約解除」もできます。

したがって、「抵当権の実行によって買主Bが甲土地の所有権を失なったときは、
買主Bは、AB間の売買契約を解除することができる。」という記述は正しいです。


■問22(改正民法)
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約が締結された。 Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失い損害を受けたとしても、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。なお、当該抵当権の付着は契約内容に適合しないものとする。 (2016-問6-3)

 

答え:誤り

AがBに売却した土地に抵当権が設定されていたので、抵当権付着売買です。

A→B

抵当権付着売買については、買主Bが善意でも悪意でも「損害賠償請求」も「契約解除」もできます。

したがって、「抵当権の実行によって買主Bが甲土地の所有権を失い損害を受けたとしても、 買主Bは売主Aに対して、損害賠償を請求することができない。」という記述は誤りです。


■問23(改正民法)
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約が締結された。 Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、Bは、本件契約を解除することができる。 (2016-問6-2)

 

答え:正しい

C所有の土地をAがBに売却しているので、全部他人物売買です。

A→B

そして、「Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないとき」とは「契約不適合」ということです。

したがって、買主Bは、AB間の売買契約を解除することができます。 なので、正しいですね!


■問24(改正民法)
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約が締結された。 Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。 (2016-問6-2)

 

答え:誤り

C所有の土地をAがBに売却しているので、全部他人物売買です。

A→B(悪意)

そして、「Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないとき」とは「契約不適合」ということです。

したがって、買主Bは、債務不履行を理由に損害賠償請求することができます。 なので、誤りです。

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