宅建試験において、「強制執行等による時効の完成猶予及び更新」の部分は良く出題される部分です!
しっかり頭に入れましょう!
時効の完成猶予とは?
「時効の完成猶予」とは、「時効期間が満了していても、時効が完成しない」ということです。
【具体例】 「2023年3月4日」が時効期間の満了日だったとします。しかし、「2023年3月4日」に「時効の完成猶予事由」に該当している場合、時効が完成しないため、債務者は、時効を援用することができません。
時効の更新とは?
「時効の更新」とは、「時効期間が振り出しに戻り、また1日目から再スタートする」ということです。
【具体例】 お金の貸し借り(金銭消費貸借契約)で、債権者が、4年間何も請求せずに放っておいた。あと、1年何もしなかったら時効完成したのですが、ここで、時効が更新した場合、これまで経過した4年は意味がなくなり、また、1日目から時効期間が再スタートします。
民法148条(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
第百四十八条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 強制執行
二 担保権の実行
三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。
「強制執行等」と「時効の完成猶予」
「強制執行」「担保権の実行」「競売」「財産開示手続・情報取得手続」を行った場合、これらの手続きが終わるまでは、時効は完成しません(民法148条1項)(=時効の完成猶予)。
「強制執行等」と「時効の更新」
「強制執行」「担保権の実行」「競売」「財産開示手続・情報取得手続」を行い、手続きが終わった時から、新たに時効期間が進行し始めます(再スタートします)(民法148条2項)(=時効の更新)。
手続を取り下げた場合
「申立ての取下げ」又は「法律の規定に従わないことによる取消し」を行った場合、時効の更新はせず、「取下げた時」または「取り消した時」から6か月間は、時効は完成猶予されます。
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