宅建試験において、「既成条件,不法条件,不能条件,随意条件」は、あまり出題されないですが、基本的な内容なので、出題されてもおかしくない部分です!できれば、頭に入れましょう!
民法131条(既成条件)
(既成条件)
第百三十一条 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
3 前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。
既成条件とは?既成条件の効果は?(民法131条1項)
既成条件とは、既に成就している条件を言います。
■停止条件において、条件がすでに成就していた場合、無条件となります。
【具体例】 「宅建試験に合格したら、10万円をプレゼントするよ!」という贈与契約を締結したとします。すでに受贈者が宅建試験に合格している場合、無条件(条件はなくなり)、贈与者は、すぐに10万円をあげないといけません。
■解除条件において、条件がすでに成就していた場合、契約自体、無効となります。
【具体例】 「就職するまで、お小遣い10万円をあげるよ!」という贈与契約を締結したとします。当該贈与契約のときに、すでに受贈者が就職していた場合、この贈与契約は無効となります。贈与者は、お小遣い10万円をあげなくてもよい。
条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合どうなるか?(民法131条2項)
停止条件が、成就しないことが契約していた時にすでに確定していた場合、契約は無効となります。
【具体例】 「2022年の宅建試験に合格したら、10万円をプレゼントするよ!」という贈与契約を2022年の試験後に締結したとします。2022年の自己採点で、すでに10点で、不合格(条件が成就しないこと)が確定していた場合、この贈与契約は無効となります。
また、解除条件が、成就しないことが契約していた時にすでに確定していた場合、契約は無条件となります。
【具体例】 「2022年の宅建試験に合格するまで、仕送りとして毎月5万円をあげます」という贈与契約を2022年の試験後に締結したとします。2022年の自己採点で、すでに10点で、不合格(条件が成就しないこと)が確定していた場合、この贈与契約は無条件となり、引き続き、仕送りをしないといけなくなります。
条件成就したこと・条件成就しなかったことを知らない場合どうなるか?(民法131条3項)
当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、相手方の利益を害する行為をしてはいけません(民法128条)。
【具体例】 「Aが宅建試験に合格したら、Bは、B所有の甲土地をAに贈与する」という贈与契約を締結したとします。すでに、Aが宅建合格したのですが、Bが「Aが宅建合格したこと」を知らなかった。この場合、Bは、甲土地を第三者に譲渡してはいけません。
当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができます(民法129条)。
【具体例】 「宅建試験に合格したら、10万円をプレゼントするよ!」という贈与契約を締結したとします。この場合、贈与者が、「受贈者が宅建合格したこと」を知らない間は、受贈者は、「受贈者が10万円を受け取れる権利」を第三者に売却することができます。
民法132条(不法条件)
(不法条件)
第百三十二条 不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。
例えば、「Aさんを殺してくれた、報酬として1000万円あげます」という契約を締結した場合、「人を殺すこと」は「不法な行為」であり、これが条件ととなっています。このような契約は当然に無効です。
民法133条(不能条件)
(不能条件)
第百三十三条 不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。
2 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。
不能条件とは、実現不可能な条件です。
不能の停止条件付の具体例(民法133条1項)
「100mを1秒で走ることができたら、報酬として100万円あげます」という契約(停止条件付の贈与契約)をした場合、100mを1秒で走ることは不可能です。この場合、上記報酬契約自体無効となります。
不能の解除条件付の具体例(民法133条2項)
「100mを1秒で走ることができるまで、仕送りとして毎月5万円をあげます」という契約(解除条件付贈与契約)をした場合、条件成就は不可能なので、無条件となり、単なる「仕送りとして毎月5万円をあげます」という贈与契約になります。
民法134条(随意条件)
(随意条件)
第百三十四条 停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。
随意条件とは、債務者の意思次第である条件が成就するか、しないかが決まってしまう条件を言います。
例えば、「気が向いたら、100万円をあげるよ」という贈与契約の場合、「気が向いたら」が条件ですが、これは、債務者(贈与者)の意思次第で、条件の成否が決まります。
このような契約は、そもそも無効となります。
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