受任者(じゅにんしゃ)とは、委任契約において仕事を任される側の人のことです。一方、仕事を頼む側を委任者(いにんしゃ)といいます。
宅建試験では委任契約の報酬・善管注意義務・解除のルールが繰り返し出題されます。ここでは試験に出るポイントに絞って解説します。
委任契約とは
委任契約とは、委任者が受任者に対して法律行為をすることを委託し、受任者がこれを承諾することで成立する契約です。諾成契約であり、書面は不要です。
【具体例】AがBに「この土地の売買契約を代わりに締結してきて」と頼み、Bが承諾すれば委任契約が成立します。なお、法律行為以外の事務(荷物の発送など)を委託する場合は準委任となり、委任の規定が準用されます。
委任契約の報酬
原則は無報酬
委任契約は原則として無報酬です。報酬を得るには特約であらかじめ定める必要があります。
履行割合型
以下のいずれかに該当する場合、受任者はすでにした履行の割合に応じて報酬を請求できます。
- 委任者の責めに帰することができない事由で履行不能になったとき
- 委任が履行の中途で終了したとき
成果完成型
成果の引渡しと引換えに報酬を支払う旨を定めた場合は、成果の引渡しと同時に報酬を支払います。
【具体例】HP制作を委任し「完成・引渡し時に10万円を支払う」と約束した場合、HPの引渡しと同時に10万円を支払います。
受任者の義務
善管注意義務
受任者は報酬の有無にかかわらず、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務(善管注意義務)を負います。無報酬でも義務の程度は軽減されない点が試験で狙われます。
報告義務
- 委任者から請求があったとき → いつでも処理状況を報告
- 委任終了後 → 遅滞なく経過と結果を報告
費用の前払請求と立替費用の償還
- 事務処理に必要な費用は事前に前払請求できる(例:交通費を事務処理前に請求)
- 受任者が立て替えた場合は費用+利息を委任者へ償還請求できる
委任契約の解除パターン
- 合意解除:委任者・受任者のどちらからでもいつでも解除可能。ただし相手に不利な時期の解除は損害賠償が必要
- 死亡:どちらか一方の死亡で解除
- 成年被後見人:受任者が成年被後見人になれば解除。委任者が成年被後見人になっても解除にはならない(委任者は事務処理をせず費用を支払えばよいため)
- 破産手続開始の決定:どちらか一方が破産手続開始の決定を受ければ解除
まとめ:宅建試験で狙われるポイント
- 委任契約は原則無報酬(特約で定めれば報酬あり)
- 受任者は報酬の有無にかかわらず善管注意義務を負う
- 費用は前払請求可。立替分は利息付きで償還請求可
- 受任者が成年被後見人 → 解除 / 委任者が成年被後見人 → 解除にならない
- どちらか一方の死亡または破産手続開始の決定 → 解除







