宅建業法34条の2を図解|媒介契約書8記載事項を完全攻略

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宅建業法34条の2は、媒介契約を結ぶときに宅建業者が依頼者へ交付する「34条書面(媒介契約書)」に記載すべき8つの事項を定めた条文です。宅建試験では毎年のように出題される頻出テーマで、特に「記載事項の数」「レインズ登録期限」「有効期間」が狙われます。この記事では、条文を暗記に頼らず理解できるよう、記載事項を一覧表で整理し、専任・専属専任・一般の違いを具体例で解説します。

まず結論|34条の2の3つのポイント

  • ① 媒介契約書(34条書面)には8つの記載事項が必要(1号〜8号)
  • ② 売主・買主どちらの媒介でも交付義務あり(遅滞なく作成・記名押印して交付)
  • ③ 交付義務違反は指示処分・業務停止処分の対象(試験では「交付しなくてよい」はすべて誤り)

34条書面は「重要事項説明書(35条)」「契約書(37条)」と混同しやすいので、「媒介契約を結んだ直後に渡す書面」と覚えておきましょう。

媒介契約とは? 34条書面が必要な理由

媒介契約とは、宅建業者が売主と買主の間に立って売買・交換を成立させるための契約です。口約束ではトラブルが起きやすいため、宅建業法は業者に対し、契約内容を明記した書面を遅滞なく作成し、業者が記名押印したうえで依頼者に交付する義務を課しています(宅建業法34条の2第1項)。これが「34条書面」「媒介契約書」と呼ばれるものです。

媒介契約書の8つの記載事項【一覧表】

第34条の2第1項が定める記載事項は次の8つです。試験では「次のうち記載事項でないものはどれか」という形で問われることが多いので、番号と内容をセットで覚えましょう。

  • 1号|物件を特定するための表示(所在・地番・種類・構造など)
  • 2号|売買すべき価額または評価額
  • 3号|他業者への重複依頼の可否、明示義務の有無
  • 4号|既存建物の場合、建物状況調査(インスペクション)実施者のあっせんに関する事項
  • 5号|媒介契約の有効期間および解除に関する事項
  • 6号|指定流通機構(レインズ)への登録に関する事項
  • 7号|報酬(仲介手数料)に関する事項
  • 8号|その他国土交通省令・内閣府令で定める事項(標準媒介契約約款に基づくか否か など)

1号:物件の特定情報

土地なら所在地・地番・面積、建物なら所在地・種類・構造を記載します。例:「東京都新宿区〇〇町1-2-3、鉄筋コンクリート造マンション、専有80㎡」。

2号:売買価格・評価額(意見には根拠が必要)

業者が価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない(34条の2第2項)。口頭でも書面でも可ですが、試験では「根拠を示す必要がある」が頻出です。

3号:重複依頼の可否(媒介契約の種類)

  • 一般媒介契約:複数業者に依頼可。自己発見取引も可
  • 専任媒介契約:1社のみ。自己発見取引は可
  • 専属専任媒介契約:1社のみ。自己発見取引も不可

具体例:専属専任媒介なら、売主が知人に直接売ることもできません。違反時は業者から違約金を請求される可能性があります。

4号:建物状況調査(インスペクション)のあっせん

中古建物の場合のみ記載。建築士などが基礎・柱・屋根・外壁などの劣化状況を調査する制度で、宅建業者は「あっせんするか、しないか」を媒介契約書に明記する必要があります。

5号:有効期間と解除

  • 一般媒介:期間制限なし(自動更新特約も有効)
  • 専任・専属専任最長3か月。依頼者の申出により更新可、ただし自動更新は禁止

6号:指定流通機構(レインズ)への登録

専任系契約では登録義務があります。日数は必ず押さえましょう。

  • 専任媒介契約:契約締結日の翌日から起算して7日以内(休業日を除く)
  • 専属専任媒介契約:契約締結日の翌日から起算して5日以内(休業日を除く)
  • 一般媒介契約:登録義務なし(それでも「登録しない」と記載)

7号:報酬に関する事項

仲介手数料の額・支払時期を記載。売買価格2,000万円の場合の法定上限は「価格×3%+6万円=66万円(税別)」です。

8号:その他国交省令・内閣府令で定める事項

専任で他業者を利用した場合の措置、専属専任で自己発見取引した場合の措置、標準媒介契約約款に基づくか否かなどを記載します。試験では「標準約款に基づくか否かの記載は不要」という引っかけが頻出なので要注意です。

媒介契約締結後の主な義務

  • 業務処理状況の報告義務:専任媒介は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上
  • 成約時の通知義務:レインズ登録物件が成約したときは、遅滞なく指定流通機構へ通知
  • 申込みがあった際の報告義務:購入・交換の申込みがあった場合は遅滞なく依頼者へ報告
  • 依頼者に不利な特約の禁止:宅建業法に反して依頼者に不利な特約は無効

電磁的方法による書面提供(IT化対応)

2022年の改正により、依頼者の承諾があれば34条書面をメールやPDFなど電磁的方法で提供することが可能になりました。ただし、依頼者が出力して書面化できること、改変の有無を確認できることなどの条件を満たす必要があります(施行規則15条の9)。

試験で狙われる引っかけパターン

  • 「34条書面は買主への媒介では交付不要」→誤り。売主・買主いずれの媒介でも交付義務あり
  • 「専任媒介の有効期間は6か月」→誤り。最長3か月
  • 「専属専任のレインズ登録は7日以内」→誤り。5日以内(休業日除く)
  • 「記名押印は宅建士が行う」→誤り。34条書面は宅建業者が記名押印(35条・37条との違い)

まとめ|34条の2は「書面交付」と「専任系の義務」を軸に覚える

宅建業法34条の2は、媒介契約書に記載すべき8項目と、専任・専属専任契約に課される義務(有効期間3か月・レインズ登録期限・業務報告)を押さえれば得点源になります。特に「35条書面(重要事項説明書)」「37条書面(契約書)」との役割の違いを混同しないよう、「媒介契約直後に業者が記名押印して依頼者へ渡す書面」とイメージで結び付けて覚えましょう。過去問を解きながら、本記事の一覧表に戻って確認する学習サイクルが最短ルートです。

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