【問1】意思表示
Aは第三者Cの詐欺により、A所有の土地をBに売却し、 Bは善意有過失のDに売却をし、移転登記もなされた。 その後、詐欺を原因として、AB間の売買契約が取消された場合、AはDに所有権を主張できる。
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【解答】
〇
C
↓詐欺
A―→B―→D(善意有過失)
詐欺による取消しは、取消し前の善意無過失の第三者には対抗できません。
本肢は第三者Dが「有過失」なので、正しいです。
そして、この問題の解説をそのまま覚える方がいますが、それだと、すぐに忘れて実力は付きません。
キチンと理解することが重要です!
新しい事例として、「善意無過失の第三者E」と「詐欺を受けたA(上記Aと同じ)」を考えます。
まず、Aは詐欺を受けているのでかわいそうですね。
また、それを落ち度なく知らずに買って、その後、 取消されると第三者Eもかわいそうですよね。
そうすると、AとEのどちらがかわいそうかを考えるわけです。
Aは、詐欺を受けたものの、騙される側も多少は悪い(落ち度あり)ですよね。
一方、 Eは「Aが詐欺を受けていること」について落ち度なく知らない(善意無過失)です。
こう考えると、どちらを保護すべきですか?
過失なく何も知らないEを保護した方がいいですよね!
だから、Eを保護するわけです。
これを法律(ルール)にすると、「詐欺による取消し前の第三者が善意無過失の場合、善意無過失の第三者は保護される」となります。
言い換えれば、この第三者Eが悪意もしくは有過失であれば、第三者は保護されず、Aが保護されるというわけです。
【問2】宅建士
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、甲県知事から宅地建物取引士証の交付を受けているCを専任の宅建士とした場合、Cは、同知事にその書換え交付を申請しなければならない。
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【解答】
×
書換え交付申請が必要なのは「住所」や「氏名」が変更になったときです。
「住所」や「氏名」が変更した場合は、変更の登録を申請すると同時に、
宅建士証の書換え交付も申請しなければなりません。
専任の宅建士になったからといって、書換え交付の申請をする必要はありません。
↓
【問3】国土利用計画法
市街化調整区域に所在する農地法第3条第1項の許可を受けた面積6,000㎡の農地を購入したAは、事後届出を行わなければならない。
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【解答】
×
農地法3条許可を受ける場合は届出で不要なので、本問は誤りです。
一方、5条許可を受ける場合は届出不要とはなりません。
▼それはなぜか?
農地法3条許可と5条許可は、いずれも農地(土地)について権利移動(売買や借地権の設定等)はします。
しかし、3条許可は転用がなく、5条許可は転用があります。
転用をするということは農地から宅地などに変わることを意味する為、地価が高騰する可能性が高いわけです。
これは農地よりも宅地の方が需要が高いためです。
そのため転用して権利移動させる5条許可は許可不要の例外とはならないのです。
一方、3条許可は農地や採草放牧地を農地や採草放牧地としてしか利用しないので地価の高騰のリスクが低く、例外として許可不要としています。
(この点は農地法を学習してから再度確認しましょう。)