宅建業法3条|免許制度の要件・費用・更新を完全解説

  • LINEで送る

宅建業法第3条・3条の2は、宅建試験の「業法」分野で毎年のように問われる超頻出テーマです。本記事では、免許制度の全体像を「大臣免許・知事免許の区分」「有効期間と更新」「費用」「事務所の定義」「免許の条件」の5点に整理し、具体例とあわせて解説します。

この記事でわかること(結論)

  • 宅建業を営むには大臣免許または知事免許が必要(事務所の所在地で区分)
  • 免許の有効期間は5年、更新申請は満了日の90日前〜30日前
  • 手数料は知事免許33,000円/大臣免許90,000円
  • 「事務所」は本店・支店+契約締結権限を持つ継続的施設
  • 免許には必要最小限の条件が付されることがある(3条の2)

1. 免許の必要性と区分(宅建業法第3条第1項)

宅建業(宅地建物取引業)を営もうとする者は、必ず免許を受けなければなりません。免許権者は事務所の設置状況によって異なります。

  • 2つ以上の都道府県に事務所を設置 → 国土交通大臣免許
  • 1つの都道府県内にのみ事務所を設置 → 都道府県知事免許

具体例

東京都と神奈川県に事務所を持つ不動産会社は大臣免許が必要。東京都内のみに事務所がある会社は東京都知事免許で営業できます。なお、営業活動の範囲ではなく事務所の所在地で判断する点がポイントです(知事免許でも全国で営業可能)。

2. 免許の有効期間と更新手続き(第3条第2項〜第5項)

免許の有効期間は5年です。引き続き宅建業を営む場合は更新が必要です。

更新申請のタイミング

  • 申請期間:有効期間満了日の90日前から30日前まで(施行規則第3条)
  • 申請後、満了日までに処分が下りなくても従前の免許は有効(処分がなされるまでの間)
  • 更新後の有効期間は従前の免許の満了日の翌日から起算して5年

具体例

2020年4月1日に東京都知事免許を取得した場合、有効期限は2025年3月31日。Aはその90日前(2025年1月1日)から30日前(2025年3月1日)までに更新申請をする必要があります。処分が2025年3月31日までに間に合わなくても、旧免許が一時的に有効。新免許は2025年4月1日から起算して5年間有効となります。

3. 免許に必要な費用(第3条第6項)

免許を受ける際は、登録免許税または手数料の納付が必要です。

  • 知事免許の手数料:33,000円(施行令第2条/収入印紙で納付)
  • 大臣免許の手数料:90,000円
  • 更新時にも同額の手数料が必要

新規取得時の登録免許税(大臣免許)は9万円で、収入印紙ではなく現金納付となる点にも注意しましょう。

4. 「事務所」の定義(施行令第1条の2)

免許区分や設置義務(専任宅建士・標識・帳簿等)に直結する重要概念です。事務所は次の2つに分類されます。

  • ①本店・支店(商人以外は主たる事務所・従たる事務所)
  • ②継続的に業務を行える施設で、契約締結権限を持つ使用人が置かれているもの

試験で狙われるポイント

  • 本店は宅建業を営んでいなくても常に「事務所」に該当する(支店が宅建業を営んでいれば、本店も管轄対象となる)
  • 支店は宅建業を営む場合のみ「事務所」に該当
  • 契約締結権限がない営業所は「事務所」に該当しない

具体例

A社が東京に本店、大阪支店で宅建業を営む場合、東京・大阪の両方が事務所。B社が神奈川に拠点を持つが契約締結権限のある使用人がいない場合、神奈川の拠点は事務所に該当しません。

5. 免許の条件(宅建業法第3条の2)

免許権者(大臣または知事)は、免許(更新を含む)に条件を付し、変更することができます。ただし、以下の制限があります。

  • 宅建業の適正な運営と取引の公正を確保するため必要最小限であること
  • 免許を受ける者に不当な義務を課さないこと

付される条件の具体例

  • 反社会的勢力との関係遮断:過去に暴力団関係者が役員にいた業者に対して「暴力団員を役員としないこと」等の条件
  • 取引実績の報告義務:過去5年間取引実績がない業者に対して「免許後1年の事業年度終了後3か月以内に取引状況報告書を提出すること」

まとめ:3条・3条の2の攻略ポイント

  • 免許権者は事務所の所在地で決まる(営業地域ではない)
  • 有効期間は5年、更新申請は90日〜30日前、処分遅延でも旧免許は有効
  • 手数料は知事3.3万円/大臣9万円、更新も同額
  • 「事務所」の該当性は契約締結権限の有無で判断
  • 免許の条件は必要最小限・不当な義務は課せない

次は宅建業法第4条(免許申請の手続き)第5条(欠格事由)とあわせて学習すると、免許制度全体を体系的に理解できます。

関連記事

  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

宅建通信に関する相談はこちら