債務不履行があった場合、実際のところ、どれだけ損害があったかを証明することは非常に難しいです。そのため、事前に、損害が生じた場合の賠償金額を決めておきましょう!っというのが損害賠償額の予定です。
損害賠償額の予定のポイント
- 賠償額の予定を定められた場合、裁判になっても原則、賠償額を増減することはできません。
しかし、あまりにも高額な場合などは増減できます。
- 賠償の予定があっても、過失相殺はできる。
- 債権者(被害者)は債務不履行の事実だけ証明すればよい。
損害の発生や額までは証明しなくてもよい
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■問1
AB間の土地売買契約中の履行遅滞の賠償額の予定の条項によって、AがBに対して、損害賠償請求をする場合に関して、裁判所は、賠償額の予定の合意が、暴利行為として公序良俗違反となる場合でも、賠償額の減額をすることができない。
(2002-問7-3)
答え:誤り
原則は、賠償額の予定がある場合、裁判所といえどもその額を増額したり減額したりすることができません。 しかし、賠償額の予定条項が暴利行為(相手の財産を奪い取るような行為)にあたる場合には、善良の風俗に反する(社会的秩序や道徳に背くと認められる行為)限度において無効となり、裁判所は賠償額の減額ができます。
簡単に言えば、3000万円の土地の売買契約で、損害賠償の予定額が1億円というような金額した場合、一部無効となるわけです。
少し分かりづらいですよね!?
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■問2
損害賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。
(1990-問2-2)
答え:誤り
損害賠償額の予定をする時期について、特に制限はありません。
したがって、「契約と同時」にする必要はないです。
■問3
損害賠償額の予定は、金銭以外のものをもってすることができる。
(1990-問2-3)
答え:正しい
「金銭でないものを損害賠償に充てる」旨の損害賠償額の予定も可能です。
■問4
損害賠償額の予定をした場合、債権者は、実際の損害額が予定額より大きいことを証明しても予定額を超えて請求することはできない。
(1990-問2-4)
答え:正しい
判例では、損害賠償額の予定をした場合、債権者は債務不履行があったことを主張・立証すれば、予定した損害賠償額の請求ができる、としています。
この場合、損害の有無・多少を問わず、予定の賠償額を受領することができます。
ただし、実際の損害額が予定額より大きいことを証明したとしても、予定額を超えて請求することはできません。