【問1】弁済
借地人が地代の支払いを怠っている場合、借地上の建物の賃借人は借地人の同意なく、土地賃貸人に地代を弁済できる。
しかし、借地人の土地賃貸人に対する債務は消滅しない。
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【解答】
×
登場人物は3人ですね!
まず、借地人とは、「建物を建てるために土地を借りた人(借主)」です。
そして、土地賃貸人とは「土地を貸した人で一般的には土地の所有者(地主」」です。
最後に、借地人は土地賃貸人から借りた土地に建物を建てます。その建物を貸した相手が「借地上の建物の賃借人」です。
「借地上の建物の賃借人」は正当な利益を有する者に該当するため、
「借地人」の承諾なく、第三者弁済を行うことができます。
そして、第三者弁済をすると、債務者本人の債務も消滅するため、
借地人の土地賃貸人に対する債務は消滅します。
■「借地上の建物の賃借人」が正当な利益を有するというのは?
借地人の賃料不払いで借地契約が解除されれば、建物も除去されてしまい、「借地上の建物の賃借人」と「借地人」との間の建物賃貸借契約も解除となり重大な不利益を受けます。
したがって、「借地上の建物の賃借人」は借地人に代わって地代債務を弁済する正当な利益があるというわけです。
もし、「借地上の建物の賃借人」が代わりに地代を弁済すれば、「借地上の建物の賃借人」と「借地人」との間の建物賃貸借契約は解除されずにすみます。
これは少し難しいので、はじめは分からなくても構いません。
ただ、文章を読む力は今後付けていかないといけないので、図を描いてじっくり読んでみてください。
借地人―(建物を貸す)→借地上建物の賃貸人
↑
(土地を貸す)
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土地賃貸人
【問2】免許の要否
賃貸住宅の管理業者が、貸主から管理業務とあわせて入居者募集の依頼を受けて、貸借の媒介を反復継続して営む場合は、宅地建物取引業の免許を必要としない。
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【解答】
×
「管理業者だから免許は不要」と飛びつかない事!
基本的な考え方は
「①宅地or建物」について「②不特定多数の者と反復継続して」「③取引」する場合に免許が必要という考え方です。
つまり、①~③の全てを満たす場合に免許が必要で、一つでも欠ければ免許は不要です。
したがって、管理業「のみ」行う分には、建物について不特定多数に反復継続して管理を行っても③取引に該当しないので免許は不要です。
しかし、本問の管理業者は、①賃貸住宅(建物)について、③貸借の媒介(取引)を②反復継続して営むので①~③をすべて満たしています。
つまり、この管理業者は免許が必要です。
▼問題文の読み方について
文章が分かりにくいときは「主語(~は)」と「述語(~をする)」を取って理解すること
「賃貸住宅の管理業者が、貸主から管理業務とあわせて入居者募集の依頼を受けて」
上記で言えば、
「管理業者は・・・依頼を受ける」
です。
その後、上記に肉付けを行っていきます!
何の依頼を受けるの?
「入居者募集の依頼」つまり、「媒介の依頼」を受けるわけです。
誰から?
「貸主」からです。
このように主語述語を理解した後に、誰に?何を?と考えて、問題文を読み解きましょう!
【問3】農地法
農地法第3条第1項又は法第5条第1項の許可が必要な農地の売買について、これらの許可を受けずに売買契約を締結しても、その所有権の移転の効力は生じない。
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【解答】
〇
3条第1項の許可とは、農地や採草放牧地の所有者等が変わる場合に必要な許可を指します。
5条第1項の許可とは、農地や採草放牧地を宅地などに転用した上で、所有者等が変わる場合に必要な許可を指します。
そして3条許可を受けずにした売買契約は無効であり、所有権移転の効力は生じません。
また、5条許可を受けずにした売買契約は無効であり、所有権移転の効力は生じませんし、農地を転用した場合は、原状回復の措置を命じられる可能性があります。